NotebookLMでまとめ
生田正治氏の郵政公社改革における功績と課題について、資料に基づき説明します。
功績
赤字を黒字化: 生田氏は、日本郵政公社の初代総裁として、郵便事業の赤字を1年で黒字化するなど、巨大組織の活性化を達成しました。
コスト削減:
減価償却期間の見直しを行い、簡保の宿などの減価償却期間を短縮するよう指示しました。
リース契約されていたコンピュータなどの事務用品の買い切りを進め、コスト削減を優先しました。
大蔵省からリースしていた土地や、労働組合が組成した外郭団体から借りていた職員宿舎を買い取りました。
現場重視の経営:
全国の郵便局を訪問し、職員との意見交換会を頻繁に開催しました。
現場の意見を直接聞き、改善案を持つ職員を東京に呼んで意見交換会を主催するなど、現場の士気を高めました。
人事評価制度を、直属の上司が評価する方式に変更しました。
広報活動:
広報部を新設し、テレビコマーシャル「真っ向勝負」を展開して、大きな効果を上げました。
コンビニエンスストアでの郵便小包の取り扱いを拒否されていた状況を、独占禁止法違反で訴え勝訴し、ローソンでの郵便切手販売と小包の引き受け、ポスト設置を実現しました。
広告代理店に依頼し、「チェンジ・ユーパック」のコマーシャルを大量に投入し、プロパガンダの効果を上げました。
資産の再点検: 保有資産の再点検を提案し、即決しました。
企業文化の改革: トヨタの生産性向上運動を導入しましたが、郵政の実情に合わせて「ジャパンポスト方式」と呼称するように提案し、受け入れられました。
課題
特定郵便局長制度への理解不足:
特定郵便局長制度に納得がいかず、民営化で制度を廃止することを推進しました。
特定局長を国家公務員にしたのは占領軍だったことを知らなかったようです。
特定郵便局長会(全特)を忌み嫌い、局舎賃貸制度の廃止を画策し、郵便局舎を土地と抱き合わせで買い取る策を実行に移しました。
民営化に対する姿勢:
民営化に対して「公社は執行機関であり、民営化するかどうかは政府が決めるべき」というスタンスを維持しました。
しかし、結果的に郵政民営化は、国民資産の海外流出や投機を招いたとの批判があります。
民営化を推進した小泉政権によって解任させられ、その際に「辞表を出したかのようなニュースは誤報」と回想録に記しています。
現場主義への偏重:
職員の海外留学には乗り気でなく、現場での研修を重視しました。
郵政には、逓信講習所以来の中堅幹部養成の伝統がありましたが、それには関心を示しませんでした。
組織の規模の違いへの認識: 数千人の会社経営と、40万人を超える大組織の経営手法の違いに気づくのに時間がかかりました。
市場主義と米国流経営手法へのこだわり:
市場主義の範疇を出ることができず、米国流の経営手法にこだわり、結果的に政治に裏切られました。
企業間取引に関する認識のずれ:
係争中の企業幹部との懇親会を開き、部下から直取引は避けるべきと忠告を受けました。
郵便番号使用料問題: 宅配企業が郵便番号を使用しているにも関わらず、その使用料を回収すべきとの提案は受け入れられませんでした。
資金運用に関する認識: 郵貯・簡保の資金量が民間銀行よりも多かった状況について、総資金量を適正水準まで減らすべきと考えていましたが、その認識が郵政民営化の悲劇的な結末を招いたのではないかという指摘もあります。
その他
執務室の広さや秘書の有無、公用車の送迎の有無などに気にする官僚的な面もありました。
部下からの率直な意見には真剣に耳を傾けた一方、部下の助け舟は評価しない面もありました。
海外勤務経験があり、英語も堪能でした。
これらの功績と課題を通して、生田正治氏の郵政公社改革は、その後の民営化の議論において重要な原点となったと考えられます。
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