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渡邉 定好

ノーベル経済学者も経済オンチ!?シュンペーター理論の核心「資本主義」とは何か?

NotebookLMによるまとめ

[三橋TV第951回]中野剛志・三橋貴明・saya


信用創造の理解は、経済学と資本主義の理解に非常に大きな影響を与えます。この理解の有無によって、経済理論や政策、さらには資本主義そのものの捉え方が180度変わる可能性があると指摘されています。

信用創造の基本的なメカニズム

  • 従来の経済学の教科書では、銀行は預金者から集めた預金を、融資を希望する人に貸し出すと説明されています。これは**「貸付資金説」**と呼ばれる考え方です。

  • しかし、実際には銀行は融資を行う際に、借り手の口座に貸出金額を記帳することで預金を創造します。つまり、貸し出しが預金を生み出すという仕組みです。これを**「信用貨幣論」**と呼びます。

  • イングランド銀行や日本の全国銀行協会も、この信用創造のメカニズムを公式に認めています。

信用創造の理解がもたらす影響

  1. 経済政策への影響:

    • 貸付資金説に基づく経済政策は、財政赤字や国債発行を過度に警戒し、緊縮財政を主張する傾向があります。

    • 一方、信用貨幣論に基づく経済政策は、政府が財政支出を増やしても、必ずしもインフレや財政破綻を引き起こすとは限らないと考えます。

    • 例えば、量的緩和政策の効果に対する見解も、信用創造の理解によって異なります。

  2. 資本主義の理解への影響:

    • シュンペーターは、民間銀行による信用創造を資本主義の不可欠な要素と定義しました。

    • シュンペーターは、資本主義を構成する3つの要素として、①私有財産制度、②契約の自由、③民間銀行による信用創造を挙げています。

    • 信用創造を理解しない場合、資本主義を単なる私有財産制度と契約の自由に基づく商業社会と捉え、その本質を見失う可能性があります。

    • 信用創造がない場合、経済は成長せず、資本主義とは言えないとシュンペーターは考えています。

  3. イノベーションとの関連:

    • シュンペーターのイノベーション理論は、信用創造と密接不可分です。

    • 企業が新しい事業や技術に投資する際、銀行からの借り入れが不可欠であり、その借り入れは信用創造によって生まれます。

    • イノベーションには投資が必要で、そのための資金は信用創造を通じて供給されるため、信用創造の理解なしにイノベーションを語ることはできないと考えられます。

  4. 経済学者の理解度:

    • 現代経済学の基礎を作ったとされるケインズやシュンペーターも信用創造を理解していました。

    • しかし、多くの経済学の教科書(例えば、グレゴリー・マンキューの教科書)は、未だに貸付資金説に基づいており、信用創造のメカニズムを正しく説明していません。

    • ノーベル経済学賞受賞者の中にも、信用創造を理解していない人がいると指摘されています(例:ポール・クルーグマン)。

    • 特に、実務経験のない経済学者や、銀行の実態を知らない人々は、信用創造のメカニズムを誤解している可能性が高いです。

  5. 暗号資産との比較:

    • ビットコインのような暗号資産は、信用創造とは異なるメカニズムで成り立っており、銀行による信用創造の代替とはなり得ません。

    • 暗号資産は、金(ゴールド)のような商品として扱われ、それ自体が負債の形式ではないため、通貨としての役割を果たすには限界があります。

結論

信用創造の理解は、現代経済を理解する上で不可欠な要素です。この理解の有無によって、経済理論、政策、さらには資本主義の本質に対する認識が大きく左右されるため、経済を語る上で、まずこの点を理解することが重要です。

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